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※美鈴によるゆっくり虐め……かなぁ、一応。虐待描写は温め。 ※ハッピーエンドです。書いた者を、この偽善者と罵りたくなるような感じの。 ※性的描写を今回は、本当に極々僅かしか含んでおりません。 ※ゆっくりの設定は今回ほとんど俺設定入れてませんが、イメージと違う場合もございま すので、ご注意ください。 「めーりんと美鈴」 春も終わりが近付き、新緑が目立ちはじめる頃──。 紅魔館の門番を勤める紅美鈴は、本日も大過なく勤務を終えようとしていた。 門前で腕を組み、美鈴は珍しく真剣な目で夕焼け空を睨んでいる。 「交代の時間です。美鈴さん」 後方から声を掛けられた。 「ご苦労様」 振り向き、整列した妖精メイド守備隊に視線を送る。 「ここ最近、侵入者──ゆっくりの被害が増大しています。夜勤の皆さんも巡回の強化よ ろしくお願いします」 約一個小隊の妖精メイドに向かって短い訓辞を行い、美鈴は勤務を夜勤者たちに引き継 いだ。 そこへ、門の内側から通用門を通って、一人の妖精メイドが駆けつけてくる。 「美鈴さん! 侵入者です! ゆっくりです! 薬草園と菜園が荒らされてるです!」 「なんですって! ……下番昼勤者のみんな、悪いけど残業ね。私に続きなさい! 上番 夜勤者は勤務開始しちゃって」 まるで瀟洒なメイド長のように、美鈴は速やかに妖精メイドたちへ指示を下す。 「了解! 夜勤者メイドA勤務開始します!」 「了解! 昼勤者メイドB撃退に向かいます!」 「了解! 夜勤者メイドC外周定時巡回開始します!」 「了解! 夜勤者メイドE勤務開始します!」 「了解! 昼勤者メイドD残業なんかしません!」 「了解! 夜勤者メイドG勤務開始します!」 「了解! 夜勤者メイドI勤務開始します!」 「了解! 昼勤者メイドF残業いやだから本館戻ります!」 「了解! 夜勤者メイドK眠いんで勤務開始せず仮眠入ります!」 「了解! 昼勤者メイドH残業? ざけんな、本館に帰ります!」 「了解! 昼勤者メイドJさぼって本館に戻ります!」 「了解! 夜勤者メイドM勤務開始します!」 「了解! 夜勤者メイドO定時巡回さぼって湖へ遊びに行きます!」 「了解! 昼勤者メイドLお腹減ったので食事に向かいます!」 「了解! 昼勤者メイドN撃退に向かいます!」 以下、アルファベット一文字では足りなくなり、メイドABだとかメイドAXなどと言 う名称となった、昼勤と夜勤合わせて60名近くの行動申告が続く。 アルファベット順に発言せず、思い思いのタイミングで申告するので、非常に聞き取り づらい。 どさくさに紛れて何人かは妙な申告を行っているが、大陸的おおらかさで美鈴は聞き流 し、素早く現場へと向かった。 指示に従ったメイドは、美鈴を除いた下番昼勤者24名のうち7名だった。 あとの17名は残業を厭い、そのままとっとと本館に帰り、速やかにオフの時間へと突入 したのである。 「ちょっと、なんでこんだけしか居ないのよ?」 門内に入ったところで、付き従ったメイドを確認し、美鈴は呆れたように呟いた。 「はっ! 美鈴さんのカリスマでは、残業強制が困難だったと愚考いたします」 メイドBが言わなくても良さそうな、むしろ言わない方が相手への思いやりな事を、わ ざわざ美鈴に言った。 「……くそっ……まぁ、いいわ! 三手に別れます! メイドBは他4名連れて薬草園、 メイドNとメイドVは本館のメイド長と館内警備隊に報告の上、向こうの指示に従って動 きなさい。菜園は私一人で充分だから……以上!」 忌々しげに眉根を寄せてから、美鈴は素早く指揮官の顔に戻り、勤務意欲充分な精鋭メ イドたちに下知をくだす。 「はっ!」 「了解!」 「イエス・マム!」 お辞儀、挙手の礼、合掌、拱手など、各員多様なゼスチャーとともに、メイドたちは美 鈴の命に従い散って行った。 それと同時に、美鈴も自らに割り当てた現場──菜園へと歩を進める。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせー♪」 「まりさぁ、それはれいむがたべようとしてた、おやさいさんだよ~」 「むきゅ~、どろくさくのろまなしなじんがつくったにしては、まずまずのおあじだわ」 「ゆっへっへっへ! はやいものがちだぜ! うまいぜ!」 「ゆ~♪ おやさいさん、おいしー♪」 「むしゃむしゃ……ふんっ、と、とかいはのありすのこえたしたは……んぐっ、こ、この ていどのおやさいじゃ……がつがつ」 美鈴が菜園に着くと、そこはゆっくりたちによって荒らされていた。 丹精込めた菜園を襲ったのは、れいむ種が6匹、まりさ種が4匹、ゆっちゅりーが2匹、 ありすが2匹の計14匹のゆっくりたちである。 畝を崩し、葉物野菜にかぶりつき、根菜を土中よりほじくり出し食い荒らし、排泄餡子 をひり散らし、交尾を行うなど、見るにたえない狼藉を働いている。 「こらっ! あんたら、なにやってるのよっ!」 黙って近付き奇襲を行おうと考えていた美鈴だったが、自分が愛を注ぎ育てた可愛い野 菜たちが凌辱されているのを見て、つい怒鳴り声を上げてしまった。 「ゆっ! みてのとおり、まりさたちはおしょくじちゅうだぜ!」 まりさは鼻で笑って、小馬鹿にしたように言った。 「あんっ、ぱちゅりぃ……いいわぁっ、ぱちゅりーのびょうじゃくぺにぺにが、ありすの とかいはまむまむのなかだと、こっ、こんなげんきにぃっ!」 ゆっちゅりーと交尾中のありすは、美鈴には見向きもせず、ひたすら快感に喘いでいる。 食欲を満たした後は性欲を満たし、子孫繁栄に努めるのが都会派だと考えているようだ。 「ゆっへっへっへ! まりさがみつけたおやさい、たべてるんだぜ! うまいんだぜ!」 悪びれもせず、まりさは菜園の野菜を汚らしく貪り、食べ滓をあたりに散らす。 「ここはれいむたちがみつけた、ゆっくりファームだよっ! ゆっくりできないひとはで てってね!」 見つけた以上は自分たちのものだと、れいむは美鈴を威嚇しながら主張した。 「むっきゅ~っ……あっ、ありすぅっ……ありすのまむまむ、きもちよくてぇっ、ぱちぇ、 しっ、しんじゃいそうっ!」 本当に死にそうな顔で、ゆっちゅりーはありすと交尾をしている。おそらく、すっきり すると同時に息絶えるであろう。 しかし、仮令命を失ったとしても、ありすの中に新しい生命を宿し、残すことが出来る のならば、ゆっちゅりーにとっては本望である。 「おねえさん、おやさいわけてほしいんなら、なんかもってきてよ!」 れいむは無邪気な顔で、貰うのが当然とばかりに言い放った。 「べっ、べつにおいしそうからたべたんじゃないわよ! こんな、いなかくさいおやさい なんか、とかいはのくちにあわないのよ! ……むしゃむしゃ」 口に合わないと言う割りには、喋る間も惜しむほどに、がつがつとありすは大根をかじ っている。 「ゆっ! みてわかんないの? ばかなの? ゆっくりしぬの?」 蔑んだような目で、れいむは美鈴を見た。 「むきゅっ! しなじんのうどは、だまってぱちぇにおやさいをじょうのうしてればいい わっ!」 犬と支那人は芝生に入るべからずと言う英国人の如く、ゆっちゅりーは傲慢な態度を取 る。 「おねえさん! ぱんつはかないの? すそからみえてるよ! ろしゅつきょう?」 乱れた旗袍の裾から、美鈴のデリケートな部位が覗いているのに気付いたれいむが、変 質者を見る目で聞いてきた。 「ゆっ! ここはれいむたちのおうちにするから、おろかなにんげんはきえてね!」 この頭数でも食べても、まだまだ沢山食べ物があるのが気に入ったのか、れいむは菜園 を自宅にする気でいる。 「ひとにものをきくたいどじゃないぜ! ゆっくりしね! はんせいのまえにしね!」 美鈴の言い方が気に触ったらしく、まりさは怒りの形相を浮かべた。 「ゆっ! おねえさん! れいむ、いまうんうんしてるんだから、はなしかけないでよ!」 ぶりぶりと排泄餡子を垂れながら、れいむは口を尖らせて美鈴に抗議する。 「ちゅうごくのくせに、まりささまたちにおおきなたいどだぜ! かかってくるかだぜ?」 格下の者を挑発するような風情で、まりさは頬を膨らませた。大勢なので気が大きくな っているようだ。 ──美鈴の怒りが爆発した。 「……あちゃー……やりすぎちゃった……うぅっ……」 肩を落とし、沈鬱な表情で美鈴は俯向いた。 菜園は無惨な荒れ地と化している。 怒りのあまり、前方に気弾を溜めて発射する大技、極光「華厳明星」を放ってしまった のであった。 白黒の魔法使いが何かと言えば、ほいほいぶっ放す恋符「マスタースパーク」や、ここ の図書館に住む引きこもりが時々使う日符「ロイヤルフレア」に比べれば、その威力は同 情を禁じ得ないようなレベルだが、ゆっくりに対しては充分すぎるオーバーキルだ。 ゆっくりたちは餡子のひとかけらも残さず消滅し、また美鈴が守るべきだった菜園も壊 滅したのである。 「あぁ……ごめん、ごめんなさい……私の可愛い青梗菜、大根、人参、オクラ、ジャガ芋、 トマト、春菊、小松菜、ラディッシュ、キュウリ、茄子、きゃべつ、タマネギ、長ネギ、 モロヘイヤ、にら、アスパラガス……」 食されることなく失われた野菜たちに、美鈴は心の底から詫びた。 彼女の目からは悔悟の涙が、とめどもなく溢れている。 がっくりと大地に膝を突き、美鈴はうなだれた。 そして、人目をはばかることなく大声で泣き始める。 まるで親兄弟の葬式で哭泣するかの如く、わんわんおんおん泣く。 「……今は、そっとしといてあげましょう……」 騒ぎを聞きつけて集まったメイドたちを、いつの間にか現れたメイド長が解散させる。 しばらく見守っていた彼女だったが、このまま泣き死にそうな勢いで号泣する美鈴に掛 ける言葉が思い浮かばず、やがて静かに立ち去った。 あとには、菜園の跡地とその前で泣く美鈴だけが残された。 「それで被害状況は?」 紅魔館の主であるレミリア・スカーレットは、起きて早々「ゆっくりに館を荒らされた」 と言う不快な報告を聞く羽目となった。 「はい、菜園が壊滅いたしました。また、薬草園の方は僅かな被害はあったものの、ゆっ くりは問題無く駆除。他に、館内へ侵入したゆっくりにより花瓶が割られるなどの被害が 出ておりますが、それらも全て対処済みです」 淡々とメイド長である十六夜咲夜は報告した。 「そう……って、菜園が壊滅!? ゆっくりが壊滅させたの?」 予想外の壊滅という報告に、レミリアは驚いた。 レミリア自身は、まだゆっくりと言う生物を見た事はないが、話しを聞いて知る限り、 そんな被害を及ぼせるほど強大な力は持っていないはずである。 「いいえ、菜園を壊滅させたのは美鈴です。撃退の際、おそらく力加減を間違えてしまっ たと思われます」 本当は力加減を間違えたわけではなく、激高して大技を炸裂させてしまったのだが、美 鈴から真相を未だ聞いていないので、咲夜は予測で答えた。 「へー……力加減間違えたぐらいで、壊滅するのかしら……まぁ、それはいいわ。で、美 鈴はどうしてるの?」 レミリアは原因の詳細よりも、責任者の現状の方が気になった。 その壊滅させた本人が、誰よりも強い思い入れを持って、毎日世話をしていたはずだか ら。 「自分の為してしまった事にショックを受け、菜園跡地で泣いております」 「なるほど……まぁ、そうでしょうね。とりあえず、菜園はどうせ美鈴が一人で管理して たんだから、今回の件は勇み足ってことで不問とするわ。壊しちゃったんなら、もう一度 作らせればいいだけだし」 そう言って、レミリアは今回の件を片付けた。 実際のところ、さほど好きではない野菜が食卓に並ぶ頻度が下がるのだから、菜園が壊 滅したならしたで別に構わないと思っている。 「寛大なご処置、美鈴に代わってお礼申し上げます……時に、お嬢様」 「なに、咲夜?」 この忠実な従者が次に何を言うか、レミリアには薄々想像がついている。 「美味しく召し上がっていただけるよう、野菜料理もさらに工夫いたしますので、今後は もっとお野菜を召し上がってください」 「……善処するわ……でも、咲夜のお料理が悪いんじゃないわよ。私って小食だから、お 野菜食べると他があんまり食べられなくなるから……」 カリスマの欠片も感じさせない言い訳をレミリアは始めた。 「いいえ。お嬢様の場合は単なる偏食です。お野菜もきちんとお召し上がり下さい」 「えっ……んー……だ、だってぇ……確かに、咲夜のお料理だったらお野菜も美味しいわ よ。でも、やっぱり……その、ねぇ、ほら……」 最早、主人と従者の会話では無かった。 時間の経過とともに、号泣はやがて嗚咽へと変わり、現在の美鈴はしくしくと普通に泣 いていた。 「うぐっ……ぐすっ……ごめん、ごめんね……青梗菜さん、あなたの……みずみずしい青 い身体を塵に変えて、ごめんなさい……ぐしゅっ、モロヘイヤさん、あなたの……」 自らの技で葬り去ってしまった、愛しく可愛い野菜様たちへの詫びの言葉が口から溢れ る。 額を地に着け、のばした手で土を掴みながら、ぐしゅぐしゅすんすんと声を詰まらせな がら、美鈴は泣き、詫び、許しを乞う。 そんな美鈴の前に、一匹のゆっくりが近寄って来た。 どこからか入ってきた──おそらくは夜勤者が巡回をさぼったため、見咎められずに侵 入を果たしたであろう、ゆっくりめーりんである。 直径およそ30センチぐらいのめーりんは、美鈴の悲しみや後悔、罪悪感はよくわかると 言いたげな、悲しそうな顔をしている。 ゆっくりと美鈴に近付くと、慰めるようにめーりんは彼女の手に身を擦り寄せた。 「大根さ……ん!? ……だ、誰……?」 涙と鼻水と涎と泥で汚れても、可愛らしく美しい顔を、美鈴は上げた。 心中密かに、レミリアか咲夜が慰めに来てくれたのかも……でも、会わせる顔がない、 と葛藤しつつ。 そこには自分のデフォルメされた似顔絵があった。 平面ではなく立体なので、正確には似顔絵ではなく頭像であろうか。 目が合うと、それ──めーりんは、悲しげな微笑を浮かべて見せた。 「ふ、ふざけるなっ! ゆっくりごときに、私の悲しみが、自責が、後悔が、行き場のな い怒りが、わかるもんですかっ!」 地に伏した姿勢のまま、美鈴はめーりんを平手で叩いた。 声も上げずに、それは叩き飛ばされるように、地面を転がる。 「く、くそっ……! な、舐めないでよっ! 同情なんか……ゆ、ゆっくりに同情される ほど、私は可哀想な子じゃないわよっ!」 立ち上がり、転がるめーりんを美鈴は追いかけた。 荒々しく乱暴に抱え上げると、片手で頬を握り掴み、もう片方の手を振り上げる。 「あ、あんたなんかにっ! な、なにがっ、わかるっていうのよっ! ちくしょうっ!」 振り上げた拳を、めーりんの頬めがけて振り下ろす。 人を殴った時に感じるそれよりも、柔らかい感触が、とても気にくわない。 殴っても効いてないんじゃないかと思えて、ますます腹立たしくなってきた。 「なんなのよっ! へらへらと締まりのない顔してっ! 私がそんな顔だって言いたいの? バカにしてるのっ!?」 喚き、怒鳴りながら美鈴は、めーりんの頬を殴り続ける。 殴られるのが痛くて悲しいのであろう、めーりんは涙を流しているが、顔自体の構造が 笑顔系なためか、バカにされてるような気分になり、どんどん怒りが高まってゆく。 「私はっ! そんな顔してないわよ! くそっ! ちくしょうっ! こいつめっ!」 美鈴もまた泣いている。 涙を流しつつも、めーりんの顔を殴る作業を休めようとはしない。 きつく握り掴んだ片頬には爪を立て、もう片方の頬は拳の打撃で痛めつける。 モデルとした人物と同様に、愛らしく可愛いめーりんの顔は、次第に痛ましく変形させ られてゆく。 「あははっ、いい顔になってきたじゃないっ! ほら、こうしてやると、もっと、もぉぉ っといい顔になるわよっ! あははははっ!」 殴るのを止めた美鈴は、泣きながら笑いつつ、両手でめーりんの頬をつねり掴んで引っ 張りはじめた。 ぎちぎちと皮肌を指先でねじりながら、左右に力を込めて引き延ばす。 めーりんの皮肌は、他種に比べると弾性が強く強靱にできているとは言え、美鈴の力で 引っ張られたら耐えられるはずもない。 うにょーんとのばされた皮肌は、やがて限界を迎えて、ぶちんとちぎれた。 支えを失い落下しためーりんは、引き千切られた頬の傷から中身を漏らし、激痛で地面 の上をのたうち回る。 手に残る引き千切った頬を適当に投げ捨ててから、 「あははっ、痛いの? 痛いわよね? でも、私の心はもっと痛いのよっ!」 美鈴は潰さない程度の力で、めーりんを踏みつけた。 靴の下に感じる柔らかい感触が、まるで人の身体を踏みつけているようで心地良い。 傷口が大地に擦られるように、美鈴はぐりぐりと足を動かす。 中身と土が混ざり、それが身体の中にも入り込む苦痛に、めーりんは身を震わせる。 「ふんっ、泣きわめかないと、いまいちすっとしないわね……ほら、こっち向きなさいよ!」 爪先を傷口に突っ込み、足を使って顔をこちらに向けさせる。 「あはははははっ! いい顔になったじゃないっ! 泥と涙と、ぶちまけられた中身で、 とってもぶさ可愛くお化粧されてるわよっ!」 相変わらず涙を流し続けたまま、美鈴は楽しそうに笑い、めーりんの口元目がけてつば を吐いた。 「あはははっ! ほら、舐めなさいよ! 疲れたでしょうから、水分くれてやったのよ!」 傷口に突っ込んだ爪先で中身をかき混ぜながら、美鈴は言った。 めーりんは言われた通り、ゆっくりと舌をのばして、美鈴に吐きかけられたつばきを舐 め取った。 その顔は、とても悲しげに見える。 今までもずっと悲しそうな顔をしていたが、まるで美鈴のそんな姿を見るのが最も辛く 悲しいと、目で言っているかのような表情だ。 「……なによ……なんで、そんな目で、見るのよ!」 理不尽な暴力を振るわれているのに、責めるでもなく、哀れむでもなく、言うなれば美 鈴の苦悩を我が事のように悲しむ目が、心をちりちりと焦がす。 そうだ、この目が気にくわないんだ──美鈴は、そう思った。 それは違うと、心の中で別の自分が言っているような気がするが、一度そうだと思って しまった以上は、どうにかして処理したい。 「その目、貰うわよ……」 美鈴はめーりんの前にかがみ込み、ゆっくりと見せつけるように、まず右目に手を伸ば す。 めーりんの目は、それでも変わらなかった。 じっと美鈴の顔に視線を合わせている。 「……ねぇ、あんた……怖くないの?」 眼球に触れる直前で、美鈴は手を止めて聞いた。 微かに、めーりんは頷いた。 「…………萎えたわ」 そう言うと美鈴は、のばした手を自分の目元に運び、涙を拭った。 もう涙は止まっている。 「ふふっ、ありがとう……あんたのおかげで、落ち着いたわ」 普段通りの穏和な表情を取り戻し、美鈴はめーりんに微笑みかける。 めーりんも涙を流すのを止め、痛みに苦しみながらも、懸命に微笑んで見せた。 「ゆっくりはモデルに似る、か……ふふっ、良く見るとあんた可愛いわよね」 周辺を見回し、投げ捨てためーりんの頬を探す。 ぞんざいに投げ捨てたためか、それほど遠くない、数歩先の距離にそれは落ちていた。 「あはっ、可愛い顔が台無しになっちゃってるわね……まぁ、私がやったんだけど」 じっとしてて、と言い置いてから見つけた頬を拾ってくる。 「治してあげるわ……」 引き千切った上に、踏みつけ地面に擦り付けたため、傷口は酷い有様であるが、くっつ けて気を送れば問題無いだろう。 美鈴の言葉に、めーりんは痛みも忘れて嬉しそうに笑った。 「あらあら、そんなことするから……中身がどんどん漏れてくじゃない。ほら、じっとし てなさいよ」 結構な量の中身を失っているはずだが、元から生命力が飛び抜けて強い種であるめーり んは、重傷を負って辛そうではあるが、瀕死と言うほどでは無さそうである。 ゆっくりれみりゃのような規格外の再生力こそ無いが、回復力も高いめーりんは、傷を 塞ぎ気を送り込むと、あっさりとすぐ元気になった。 「ふふっ、本当に私に似てるわね……頑丈で、元気で、可愛くて、健気で……」 抱きかかえ、めーりんの頭を優しく撫でる。 あんなに痛い目に遭わされたのに、めーりんは美鈴の胸に顔を押し付け甘えてくる。 「人懐っこいわね……だめよ、私のゆっくりなら、優しいだけじゃだめ。時には強く、厳 しく、敵と戦わなきゃ……あっ、そうだ!」 美鈴は名案を思いついた。 それから一週間後──。 門番業務をこなしつつ、美鈴は菜園の復興に勤しみ、今ではもう立派に復旧していた。 育苗中でまだ植えていない作物もあるが、ゆっくりの侵入を防ぐ柵を作り、土壌を整え、 用水を整備し、畝を立て、直播きのものは播種を済ませている。 あとは播いた種の生育を待ちつつ、日々の手入れを行い、育苗を終えた苗を植えれば、 かつての姿を完璧に取り戻すであろう。 「こう言う仕事は、見事にこなすわね」 ちゃんと作り直された菜園を眺めながら、咲夜は美鈴に語りかけた。 「こう言う仕事って……咲夜さん、まるで私が他の仕事は、ロクにこなせてないみたいじ ゃないですか……」 不本意そうに肩をすくめつつも、美鈴はどことなく嬉しそうな顔をしている。 「うーん……一応、最大限に褒めたつもりよ。と言うか、あなたは本来の業務中の居眠り が……ちょっとねぇ」 咎める風ではなく、からかうように言って、咲夜は微笑んだ。 「うぅっ、そ……それは、その……が、頑張ってますよ!」 「はいはい。私がナイフを刺さなくても済むように頑張ってね……そう言えば、今度は柵 も作ったのね?」 ぐだぐだと守られもしない約束や言い訳を聞き、それにいちいち対応するのは、あまり 瀟洒ではないので、軽く美鈴の言葉を流しつつ皮肉を言い、咲夜は話題を変えた。 「あ、はい! しっかりと門を見張って、巡回を強化しても、連中はどこからともなく入 ってきますからね……やっぱり柵ぐらいは必要だと思いまして」 さりげなく、ちゃんと仕事をしている事もアピールしながら、美鈴は答えた。 「そうね。柵があると無いとじゃ、だいぶ違うでしょうね。それに加えて、さらに見張り も置いた、ってわけね」 柵の切れ目、菜園の出入り口に居る一匹のゆっくりに視線を向ける。 「はい、そうです。あの子は私に似て可愛くて真面目ですから、きっと悪辣なゆっくりを 排除してくれますよ!」 ある意味で存在自体が咲夜への皮肉とも思える豊かな胸を張り、美鈴は力強く言い切っ た。 「ふーん……確かに、そっくりね。ぐっすり寝てるところなんか、もう生き写しね」 「……え!?」 咲夜の言葉を聞き、美鈴は慌てて菜園の入り口を見た。 そこには、ゆっくりと寝ているめーりんの姿があった。 「…………だ、大丈夫です……し、侵入者が現れたら、ちゃんと撃退するはず……です」 激しく動揺し内心で非常に大きな不安を感じながらも、美鈴は太鼓判を押した。 「飼い主が飼い主だし、モデルがモデルだから、あまり期待はしないでおくわ」 そう言い残して、咲夜は菜園に背を向けて立ち去った。 あとには、これから豊かになるであろう菜園と、困り顔で頭を抱える美鈴、対照的に幸 せそうな顔で眠るめーりんが残された。 ■END■ あとがき ご笑覧いただきありがとうございます。A.Hでございます。 書いてるうちに、生ぬるいハッピーエンドになりやがりました。どう言うことだ。 本格的なめーりん虐めは、そのうち再挑戦しようかと……ってか、めーりんに他のゆっ くり退治させる方が書きやすそうだな……。 いつもご感想いただきありがとうございます。 本籍地が18禁エロ系なためか、すぐにそっち系へ走りやすく、それっぽい描写が増える 傾向にあり、色々となんかすみません。 このSSに感想を付ける
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家に帰ると扉の前にゆっくりがいた。 「ゆぅっ!ゆぐっ!ゆぁぁぁああああああああああ!」 「まりさ、がんばってね!もうちょっとだよ!」 れいむの声援を受け体当たりを続けているのは、すでにボロボロで涙目のまりさだ。だがまりさの体当たりを悠然 と受け止める赤髪のゆっくりを俺は見たことがなかった。 「じゃおーん!」 赤髪ゆっくりがひと声上げると、お返しとばかりにまりさにむかって体当たりをかます。まりさはその一撃で吹き 飛ばされてひっくり返った。 「ゆぎあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ばりざぁぁ!がんばっでねぇぇ!ぐずめーりんなんでやっづげぢゃっでねぇぇ!」 「うるさいよ」 いつまでも茶番劇を見ているわけにもいかないので、とりあえず喚き声がうるさい二匹をつかみ上げて近くにある 川の向こう岸に向かって放り投げる。おなじみの「おそらをry」という台詞もなく、妙に濁点の多い叫び声を上 げながら二頭は川向こうへ飛んで行った。 「……」 「じゃお」 扉の方に向き直ると、めーりんと呼ばれていた先ほどの赤髪ゆっくりがふてぶてしい顔で俺の行く手をふさいでい る。他のゆっくりとは違い言葉を発することはできないようだが、うっとうしさはさほど変わらない。俺はひとつ 溜息をついて無言でそれを抱えあげた。 「じゃお?」 とりあえず扉の脇にどかし、ポケットから鍵を取り出す。 鍵はかけておいたとはいえ、自分の家をゆっくりから守ってくれたゆっくりを投げ飛ばすほど俺も恩知らずではな い。 「待ってろ、お礼に食いもんでもやるから」 「じゃおーん!」 扉を開けようとしていたら突然衝撃をうけて俺は尻もちをついた。何かと思えばめーりんが勝ち誇った顔でこちら を見下ろしている。 「じゃお!」 どうやら不意打ちで体当たりをくらったらしい。攻撃に成功しためーりんはなおも体当たりを続けている。 「待ってろって言ってんのに」 再びめーりんを脇にどかすが、めーりんはなおも俺に向かって体当たりを繰り返す。 「じゃお!じゃおーん!」 もしかしてこいつは、他のゆっくりと同じようにこの家を自分の家だと思っているのだろうか。先ほどの一幕も、 ただの縄張り争いだったということか。俺は少し落胆してぼふぼふと体当たりをしているめーりんをつかみ上げ る。 「ちょっとでも感謝した俺が馬鹿だった」 そして思いっきり放り投げた。 「じゃおおおおおぉぉぉぉん!」 めーりんの悲鳴をを背中に聞きながら、俺は扉の鍵を開けた。 ※※ 夕飯の準備をしていると、家の戸をたたく音が聞こえた。 「はーい」 呼び鈴くらいならせばいいのにと思いながら戸をあけると、そこには誰もいなかった。いたずらかと思い戻ろうと した俺の膝に何かがぶつかる。 「うぉっ!?」 「じゃお!じゃお!」 ボフボフと膝への攻撃を続けているのは、先刻のめーりんだった。まさか川を渡ってきたわけでもあるまいが、あ ちこちがふやけ無数のかすり傷を負った満身創痍の姿だ。 先ほどの攻撃が俺に通じたと思っているようで、ボスボスと俺にぶつかってくる。実際他のゆっくりと違って皮が 厚いらしく、すねへの攻撃はそれなりに痛い。 「じゃお!じゃおっ!?」 「ええいこの」 ぶつかるタイミングを狙って足を引くとめーりんは顔面から地面に突っ込んだ。俺はそのまま足をひき、大きくふ りかぶってめーりんを蹴り飛ばす。 「じゃおぉぉん!?」 無様な叫び声をあげ転がっためーりんは、ひどく衝撃を受けた面持ちでこちらを見る。人間に負けたのがそんなに 信じられないのだろうか、再び立ち上がると狂ったように体当たりを繰り返しはじめた。 「じゃおっ!じゃおぉっ!」 「うっさいな」 いいかげん嫌気がさした俺は、飛びかかってくるのにタイミングをあわせて思いきりめーりんを踏んづけた。 「じゃおぉ!じゃおぉ!」 足元でビタンビタンともがくめーりんをグリグリと踏みつける。しばらくそうしていると靴を通してみちみちと皮 の破ける感触が伝わってきた。 「あっ」 「じゃぁぉーん……!」 思わず気が引けて足の力が緩み、めーりんが抜け出してしまう。ところどころから中身が漏れ出し満身創痍となっ ためーりんは、逃げ出すこともせず俺の足もとでぴくぴくと痙攣している。 そういえばめーりんの中身はなんなんだろう。ゆっくりといえば総じて甘味の類だが、目の前の餡は赤みがかかっ た色をしていた。イチゴジャムか何かだろうか。一口すくってなめてみる。 「辛っ!かっらっ!」 口の中に火花が散ったような衝撃が広がる。甘味だと思ってなめただけに衝撃もひとしおだ。 俺は思わずめーりん を放り投げ、急いで水を飲みに家の中へ戻った。 再び玄関に戻ったとき、めーりんの姿はなかった。 ※※ 「ゆぅ~ん……こわいよまりさぁ~……」 「だ、だいじょうぶだよ!ま、まりさがいれば、なにがあってもへっちゃらだよ!」 夜中だというのにれいむとまりさはまだ外をさまよっていた。 せっかく見つけたゆっくりぷれいすがくずのめーりんとゆっくりしてないにんげんさんに奪われ、どことも知れぬ 場所に投げ捨てられたおかげで家への帰り道も分からずにうろうろしているのだ。 きょろきょろとせわしなく辺りを見回していたまりさが急に大声をあげる。 「ゆゆっ!さっきのめーりんだよ!」 「じゃおっ!?」 まりさ達が見つけたのは、「くず」にふさわしいぼろぼろの姿をした先刻のめーりんだった。まりさの餡子脳に先 ほど自分たちのゆっくりを邪魔しためーりんに対する怒りがふつふつと湧き上がってくる。 「まりさはつよいんだよ!めーりんにまけるはずないんだよ!みててね!」 一声叫ぶとまりさはめーりんに向かって飛びかかった。 普段のめーりんなら歯牙にもかけなかっただろうが、人間に負けたことで肉体的にも精神的にも衰弱していためー りんはなすすべもなくその体当たりを食らってしまう。 「じゃ、じゃぉっ…!」 「ゆっくりしないでね!」 連続で繰り出される攻撃に吹き飛ばされ体勢を崩しためーりんは、まりさの渾身の体当たりをくらって顔面から地 面に叩きつけられる。すでに弾性を失っていためーりんは、バウンドすることもなくその場に崩れ落ちた。 「ゆっくりしないでしんでね!」 動きが止まったところに容赦なくまりさの踏みつけが襲いかかる。先ほどの人間との攻防の中で何度も踏みつけら れためーりんにとって、それは恐怖の記憶だった。 「じゃ、じゃぉーん……」 「しね!しね!ゆっくりしね!」 「ゆゆ~ん♪かっこいいよまりさ~!」 まりさの踏みつけをなすすべもなく食らい続けためーりんは、そのうち意識を失ってしまった。平べったくつぶれ ためーりんの上でまりさが勝鬨を上げる。 「ゆっへん!これからはちゃんとみのほどをわきまえてね!」 「ゆゆ~ん!すてきだよまりさ~!」 「あしたはまたあのゆっくりぷれいすにいこうね!まりさがいればなにがきてもへっちゃらだよ!」 二頭のゆっくりが上機嫌で去っていくのを眺めながら、めーりんは静かに涙をこぼし続けた。 ※※ 家に帰ると扉の前にゆっくりがいた。 「ゆっくりしね!」 「じゃぉーん……!」 どうやら昨日の三頭らしいが、力関係が逆転している。 「いいかげんにしてねっ!ここはっ!まりさたちのっ!ゆっくりぷれいすなんだよっ!そんなこともっ!わから ないのっ!?ばかなのっ!?しぬのっ!?」 「じゃぉっ!」 昨夜見たときよりさらにボロボロになっためーりんの上に、まりさがなんども飛び乗っては踏みつけている。傍 らのれいむはその様子をみて「まりさ~♪かっこいいよ~♪」と無邪気に喜んでいる。 「しねっ!しねっ!ゆっくりしねっ!」 「まりさぁ~♪がんばってぇ~♪」 「うるさいよ」 とりあえずうるさい二匹をつかみ上げて放り投げる。 「ゆゆっ!おそらをとんでるみたい~……い゛っ!」 昨日に比べて飛距離が足りなかったらしく、向こう岸まであとわずかというところで二頭は川の中に消えた。 二頭の行方を見届けた俺は、ぺしゃんこになっためーりんに向きなおった。 「じゃぉ……」 厚い皮もところどころ裂け、中からは具がはみ出している。緑の帽子はれいむの方にでもやられたのかずたずた に引きちぎられており、少し離れた所に散らばっていた。 「あーあー……」 俺がどうしようかと迷っているうちに、ぼろぼろのめーりんはずりずりと俺に向かって這い寄って来た。餡まみれ のからだを俺に押し付け、ぐいぐいとなけなしの力を振り絞っている。 「……じゃぉ……!」 ほどなくしてめーりんは力尽きたのか動かなくなった。 「……」 まだ息はあるようだ。俺はしばらく考えた後、そっとめーりんを抱えあげた。 「酒のつまみにはちょうどよさそうだ」
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ぬちゃぬちゃあきの超小ネタ第二弾 前回のが結構反応良かったから続けた。 ――――――――――――――――――――――――――― 前回の焼き肉を踏まえて、今回は食べ放題のゆっくり料理店に来てみた。 「じゃおぉぉん!!!!」 めりーんは前回に引き続きこれでもかと言うほど食べる食べる。 「ほら、いくら食べても大丈夫だからもっと静にね・・・?」 食べるのは良いのだが、周りの迷惑になる大声はやめて欲しい。 「うー☆めーりんしあわせだとふらんもしあわせ!」 ふらんもめーりんの食べっぷりを見て喜んでいるご様子。 「ふらんも。他のお客さんいるんだから。ほらこれ飲んでな。」 俺はふらんを静にするため『ゴックン!丸ごとありす』を与える。 「うー☆おいしそう!」 「や、やめ・・・・」 ふらんは『ありす』の頭部に刺さっているストローに口を付けて飲み始めた。 「うー?そこまであまあまじゃない・・・・うー!!しね!!ゆっくりしね!!!」 「いやぁぁぁ!!とかいはじゃないわぁぁぁぁぁぁ!!!!」 どうやら『ありす』の甘さが足りなかったようで『ありす』を殴り始めた。 「はぁ・・・・ほら、もっと静にね?ね?」 この時、俺は思ったんだ。 モノを食べるときはね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・・・・ 「じゃおぉぉぉぉぉぉん!!!!」 「うー☆しね!!!ゆっくりしね!!!!」 「もうやべてぇぇぇぇぇぇぇぇ!とかいはじゃないぃぃぃぃぃ!!!!!」 次から独りで来よ。そう思う俺であった。 ――――――――――――――――――――――――――― このネタもうやらない 挿絵:さなえあき
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「…参りました」 青年は敗北を認めた。 青年の前には、ボロボロになったゆっくりまりさがのびており、それに相対するように勝ち誇った表情のゆっくりめーりんと、その飼い主の紅美鈴がいた。 吸血鬼の館・紅魔館の門番である美鈴は武術の達人でもあるので、彼女に試合を申し込む人間がしょっちゅうやってくる。門番中に相手をするわけにはいかないので、美鈴は休日の度に人里まで向かい、挑戦者の相手をしている。今のところ、彼女に試合を申し込んで勝った人間はいない。 その美鈴が最近ゆっくりを飼い始めたという噂が上がり、彼女が飼っているならゆっくりも強いはずだ、という考えから、自分のゆっくりを育てて美鈴のゆっくりに挑戦したいという者が現れるようになった。 実際、彼女の飼っているめーりんは強かった。元々、美鈴は門番を手伝わせるためにめーりんを鍛え始めたのだが、噂を聞いた飼い主達がやってくるようになってからは、美鈴は人里へ向かう時にはめーりんを連れて行き、めーりんへの挑戦者の相手もしていた。美鈴の教育の賜物か、こちらも未だ負け知らずだった。 「いやあ、相変わらずお強いですね」 先ほどのまりさの飼い主が美鈴に話しかける。美鈴は、そのまりさを彼女の"気を使う程度の能力"で回復させているところだった。 「いえいえ。貴方のまりさもだいぶ強くなってますよ」 美鈴は回復を続けながら笑顔で答える。 その後も世間話などを挟みつつまりさの回復は続けられた。美鈴は基本的に穏やかな性格で、どこか親しみやすさを感じさせる。それも挑戦者が多い理由の1つかもしれない。 まりさがすっかり元気になると、 「もっと強くしてまた挑戦しますね!」 と言い、青年は美鈴と別れた。この日の挑戦者は彼で最後だった。 「さてと、私たちも帰ろっか、めーりん」 「じゃお!ゆっくりかえるよ!」 日が暮れ始めた帰り道を美鈴とめーりんが歓談しながら歩いていると、前方に人影が見えた。 「やぁやぁご両人。初めまして、かな?」 「はぁ、初めまして。え~と…失礼ですがどちら様で?」 「ああ、私は勇儀っていうんだ。宜しく」 星熊勇儀…伊吹萃香の古い友で、萃香同様四天王の1人だった鬼だ。今は、地上に嫌気のさした他の鬼達と共に地底に住んでいるという。 「…あ!萃香さんのお知り合いの」 「お?あんたも萃香知ってんのか」 「ええ…」 美鈴も萃香の強さを身をもって知る1人である。 「…で、一体何の用でこちらまで?」 「単刀直入に言おう。勝負がしたい」 「…ええ!?」 紅魔館の図書館の主、パチュリー・ノーレッジ…先日地底に向かった霧雨魔理沙と交信していた…の話によれば、勇儀は勝負事の際に、片手に酒を満たした杯を持ち、酒を零さないようにするというルールを自らに課して戦うとのことだった。そのルールがなければ相当な実力者に違いない。普通の人間相手なら強い美鈴も、相手が妖怪や鬼…しかも元四天王ともなれば話は別だ。勝ち目がないのはともかく、無事でいられなくなるのは避けたい。 「いや、あの、それはちょっと…」 美鈴は丁重に断ろうとした。 「ん?…ああ、悪い悪い。言い方が悪かったみたいね」 「…へ?」 「別に私があんたとやり合おうってんじゃないんだ。…ほら」 と言って勇儀は、自分の足下を指す。そこには勇儀と同じ顔の饅頭…ゆっくりゆーぎがいた。 「あんたも飼ってるんだろ?あんたのゆっくりと、私のゆーぎで、勝負。いいかい?」 「ゆっくりしょうぶしてね!」 ゆーぎが続けて言う。 美鈴はしゃがみ込んでめーりんに聞く。 「どうする、めーりん?」 「じゃお!めーりんしょうぶしたい!」 「大丈夫?疲れてない?」 「だいじょうぶだよめいりん!」 「そっか。…それなら」 美鈴は立ち上がった。 「いいですよ。その勝負、受けて立ちます!」 「じゃおおおおおん!」 2人と2匹の表情は自信に満ちあふれていた。 2匹の戦いは引き分けに終わった。実力はほぼ互角で、相打ちで勝負が決まった。 「あんたのめーりん強いなぁ」 「貴方のゆーぎもなかなか」 美鈴は2匹を回復させながら勇儀と談笑していた。地上の妖怪の話…特に風見幽香の話に、勇儀は大いに興味を示した。勇儀はどこからか酒を取り出し、自分で呑みつつ美鈴にも勧めたが、回復が終わってないので、と美鈴は断った。気を使っているときに酒などの外部刺激が入ると気が乱れてうまくいかなくなるのだ。 2匹の回復が終わると、空が黒くなり始めていた。 「あんたが気に入ったよ。今度ゆっくり酒でも呑もう。あと地底も案内してあげる」 勇儀は美鈴の肩を掴み笑いながら言った。めーりんとゆーぎはすっかり仲良くなったようで、しきりにじゃれ合っている。 「ええ、その時はこの子も連れて」 「ああ、待ってるよ」 そうして、2人はそれぞれ自分のゆっくりを連れて帰路についたのだった。 以下作者の言い訳など 最近のチル裏のやりとりを見て思い切って投下することにしました。実は発端になった(?)コメント(めーりんとこまちネタで~)を投下したのは自分です。たぶん書きます。 シリーズものっぽいタイトルですが、今のところあと1本しか考えてません。 美鈴の使う気=気功とかそれ的な何か…という解釈です、一応。 戦闘描写は…勘弁してくださいorz 感想、質問、誤字報告等あれば下のコメント欄へ。閲覧ありがとうございました。 尻尾の人 「ゆっくり酒を飲もう」を ゆっくりを漬けて発酵させた酒か何かだと思ってしまった。 -- α (2009-02-03 03 59 09) ↑ そういうのもあるのか…! 表現変えた方がいいですかね? -- 作者 (2009-02-03 22 58 30) 名前 コメント
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門番ゆっくり めーりんの場合 8KB 群れ 赤子・子供 捕食種 ドスまりさ 希少種 自然界 現代 独自設定 感想・批評・ツッコミを頂けると幸いです 門番ゆっくりに登場した、帽子に傷があるめーりんを題材としたお話です。 門番ゆっくりを見てからでないと、分かりづらい部分もあるかと思います。 言い訳:ゆっくりがゆっくりらしからぬ会話をしているように見えますが、人間向けの意訳と考えて下さい。 門番ゆっくり めーりんの場合 木に囲まれた広場で子ゆっくりが眠っている。 柔らかな草が生えた広場で昼寝をするのが、その子ゆっくり―ゆっくりめーりんの習慣になっていた。 子めーりんには夢があった。 門番ゆっくりになる。 門番ゆっくりになれば、いつでもこの広場でゆっくりできるから。 子めーりんの周りでは、広くて、暖かくて、気持ちのいい広場で、跳ね回ったり、花の手入れをしたり、子めーりんのように昼寝をしたりと、群れのゆっくりがゆっくりと過ごしている。 広場には群れのゆっくりが、少しづつ交代で来ることになっていた。 森の中の巣の周りでも、同じようなことはできるが、広場は巣の周りよりもゆっくりできると人気が高かったのだ。 この群れは希少種で構成されており、人間と取引しているなど、普通の群れとは異なる点が多かったが、生活は他の野生のゆっくりと余り変わらない。 赤ゆっくり、子ゆっくりは親と共に巣に篭り、成ゆっくりは餌集めや取引の為の茸集めに忙しい。 気持ちのいい、ゆっくりできる広場には、皆たまにしか出られない。 群れを守る為に前に立つ、門番ゆっくりを除いて。 門番ゆっくりになりたいゆっくりは多かった。 あくせくと餌を集める必要も無い。 周りにも尊敬の眼差しで見られ、番にも事欠かない。 だが、門番ゆっくりになるには、過酷な訓練を受けなければならなかった。 門番ゆっくりにはめーりん種だけしかなれない、というわけではなく、門番ゆっくりになっためーりん種以外のゆっくりもいる。 だが、頑丈さゆえか、何かを守ることを好む気性ゆえか、訓練を潜り抜けたゆっくりはめーりん種が多かった。 時を経て、子ゆっくりから成ゆっくりに成長した若めーりんは、門番ゆっくりに志願した。 辛く苦しい訓練の中、こんなことをしなくても、と他のゆっくりが教官ゆっくりのゆっくりゆうかに聞いたことがある。 ゆうかは、それはずいぶん昔に、他のゆっくりが長に聞いたことだ。いいだろう、そのときのことを話してやる、と若めーりん達の前で話し始めた。 「おさ、なんでもっとゆっくりしないの?」 集めている茸は人間には価値があるものだ。別に餌集めなどしなくても、人間に頼めば餌を持ってきてくれる筈、いやあまあまだって食べられる筈だ。 もっといえば、人間に飼われてもいい。餌も、家も、他のゆっくりに虐められることも心配しないでいい。 とてもゆっくりできる筈なのに、今は遊びに来る人間に餌を貰うことも出来ない、と群れのゆっくり達は長に疑問をぶつける。 「ここは、ゆっくりできる」 確かに手に入れることは出来るだろう。だが、与えられるゆっくりは容易に奪われるゆっくりでもある。何も出来ず人の都合に左右されるゆっくり、私はそれをゆっくりとは呼ばない。 家は見つからず、餌は集まらず、ゆっくりには虐められ、人の都合で左右される、ここだからこそ出来ることがある、と長は返す。 「にんげんさんはゆっくりできるよ」 そんな人間はいなかった。管理人も遊びに来る人もとてもゆっくりしているではないか、と群れのゆっくり達は反発する。 「おとーさんやおかーさんをおぼえてる?」 何も出来ない赤ゆっくりが親に全幅の信頼を寄せるように、飼ゆっくりは飼い主に完全に依存しなければ生きていけない。 通常種から生まれた希少種に親は何をしたか。潰すようなことこそしなかったが、他の姉妹達とは露骨に差別したのではないか?自分達とは違うという理由で。 人間もそうだ。今はゆっくりさせてくれるかもしれない。だがそれが何時までも続くかは分からない。事情が変われば何も出来ずにゆっくり出来なくなってしまう、と長は説得した。 希少種は同種同士で番や群れを作る。希少種は繁殖力が弱く、数が少ない。容姿の違い、行動の違い、数の少なさから通常種に迫害の対象にされる。 無論、すべての希少種がそうだというわけではない。ゆっくりらんなどはゆっくりちぇんと番を作ることが多く、迫害の対象にもならない。虐められない希少種の個体や、希少種を受け入れる通常種の群れも存在する。 だが、多くの希少種が虐められているのもまた事実。それは特にめーりん種で顕著だ。 通常種から生まれた希少種が生まれることがある。人間で言う隔世遺伝ゆえとも、ゆっくり特有の不条理ゆえとも言われている。 長に談判しにきたゆっくり達にはそうやって生まれたゆっくりが含まれていた。 「ゆっくりりかいしたよ」 赤ゆっくりの時に味わった無力感、絶望感を思い出したゆっくり達、そしてそれを聞いたゆっくり達は長の行いを理解した。 ゆうかは話し終えた後、我々は弱い、出来ることには限界がある。だからといって何もしないでいいというわけでもない。出来ることをやれ、限界まで出来るようになれ、それが我々をゆっくりさせてくれる、と締めた。 何匹ものゆっくりが脱落していく中、若めーりんは訓練をやり遂げた。 念願の門番ゆっくりになったのだ。 子供の頃に思い浮かべたように、若めーりんは広場でゆっくりしようとした。 だが、古株の門番ゆっくりである老めーりんが、新人の門番ゆっくりにはやることがあると、なかなかゆっくりさせてくれなかった。 老めーりんを不満に思いながら日々をすごす中、若めーりんは初めての実戦を迎えた。 初めての実戦は若めーりんにとり、幸運と不幸が相半ばなものであった。 不幸は、偶然、複数の群れが時間差で襲ってきた為に、門番ゆっくりに大きな被害が出たこと。 幸運は、そんな混乱した状況で生き残ることができたこと。 状況は混乱している。 組んでいた隊列はいつの間にか崩れ、多方から襲いかかるゆっくりに若めーりんは消耗していた。 「「ゆっくりしねっ!」」 枝をくわえたゆっくりようむ、ゆっくりまりさが若めーりんめがけて突っ込んでくる。 若めーりんは消耗して動けない。 「…じゃお」 ここまでか、と若めーりんは弱音を漏らした。 その時、若めーりんをゆっくりさせてくれなかったあの老めーりんが、若めーりんの前に飛び出した。 戦いの終わった後、死屍累々と横たわるゆっくりの片付けが始まる中、倒れた老めーりんを前に若めーりんが立ちつくしている。 若めーりんを助けてくれた老めーりんは、もう助からないであろう深い傷を負っていた。 若めーりんは何も言えないでいる。 何故自分を助けたのか?自分のことを嫌っていたのではないか?様々な思いが餡子の中を駆け巡り、喋ることが出来ないのだ。 老めーりんがぽつりと喋る。 「じゃお?」 嬢ちゃん、帽子はどうした? 若めーりんの帽子は、乱戦の中で失われていた。 「じゃおー…」 無くした、と若めーりん。 「じゃおーん」 破れてて悪いが私のをやるよ、と老めーりんがかぶっていた帽子を差し出す。 帽子を受け取った若めーりんが何か言い出そうとする。しかし、 「じゃお、じゃお」 早いところゆっくりさせてくれ、と老めーりんは言い残し目を閉じた。 樹の根元に掘られた穴に、永遠にゆっくりした老めーりんが納められる。 傷付いた帽子をかぶり、老めーりんが埋められた樹の前で、若めーりんは泣いていた。 それから幾度もの戦いを潜りを抜けた若めーりんは、皆に信頼される真の門番ゆっくりにへと成長していった。 門番めーりんは考える。 門番ゆっくりになったのは自分がゆっくりする為だった。 だけどそうじゃない、門番ゆっくりは群れがゆっくりする為にこそあるのだ。 今なら分かる。 暖かな日差しのある日の昼過ぎ、広場でゆっくりるーみあやゆっくりさなえが人と戯れている。 池の周りではゆっくりちるのが跳ね回り、ゆっくりすわこが水浴びをしている。花壇ではゆっくりゆうかが花や果樹の手入れをしていた。 門番めーりんはそれらを横目にゆっくりと昼寝をしていた。 警報が鳴るのを聞いた途端に跳ね起きる。別の群れのゆっくりがここを奪いに来たのだ。 人や他のゆっくりが避難したのを確かめた後、他の門番ゆっくりと共に隊列を組み、取引所と呼ばれる建物の前に陣取る。 奪いに来たゆっくりが見える。 ドスもいる、久し振りに大規模な襲撃だ。 ゆっくり達が罵声を浴びせてくる。 「ぐずのめーりんがいるよ」「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすにするよ」「ぐずのめーりんはどっかいってね」「ぐじゅーぐじゅー」 ぐずのめーりん、その通りだ。自分がぐずじゃなければあの老めーりんは死ななかった、と門番めーりんは自嘲する。 同時に一匹たりともここを通さないと覚悟を固めた。 門番ゆっくりは罵倒を聞いても声を上げない、歯を噛み締め前を睨む。 何故か? 一部のゆっくりを除き、ゆっくりはめーりん種の言葉を理解できない。聞けば馬鹿にする、しかし喋らなければ激昂して突っかかってくる。 作戦にはこの上なく好都合だった。注意を容易にひきつけられ、相手のゆっくりは他に目が行かなくなる。包囲しかけているふらんに気がつかない。 誘引後、包囲殲滅。この作戦で門番ゆっくり達はここを守ってきた。 「「「ぐずのめーりんはゆっくりしねっ!」」」 突っ込んできたゆっくりを身を固めて弾き返す。 続いてやってきたゆっくりも隊列を維持して耐える。 耐え続けているとドスが前に出てきた。ドススパークを放とうとしている。 門番ゆっくり達は積み重なり、ドスの前に立ちはだかる。それは必死を意味する行為だ。 門を守るは巣を守る為、人を守るは門を守る為、門番ゆっくりが傷つくは群れのゆっくりを守らんが為、門番ゆっくり達はドススパークの前にその身を晒す。 ドススパークが門番ゆっくりの壁に突き刺さる。 門番ゆっくりが傷つき倒れ、ドスの周りのゆっくり達がはしゃぐ。 門番めーりんも即死こそしなかったものの、大きな傷を負った。 もう自分は動けない。自分は群れを、皆のゆっくりを守れたのか?自分の役目を果たせたのか?あの老めーりんに顔を向けることが出来るのか?門番めーりんは動かぬ体でひたすらに自問する。 「ふ、ふ、ふ、ふらんだーーーっ!!!」 ゆっくりの悲鳴が聞こえる。手筈通り、ふらん達が襲ってきたゆっくりを包囲したようだ。 もう大丈夫だ、自分は役目を果たせた。自分の働きの結果に安堵しためーりんは、ゆっくりとした笑みを浮かべた。 そして、めーりんは笑みを浮かべたまま、静かに目を閉じた。 (みんな、ゆっくりしていってね…) 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 732 門番ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 741 ゆっくりマンション トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る (さいこう) じゃおー -- 2019-07-07 02 58 22 一作目のめーりん目線か。 門番の心構えがまるで仙人みたいにカッケェよ。 原作の話をするのは御法度かもしれないが、 原作の紅美鈴も素晴らしい精神の持ち主で、私は好きだ。 -- 2018-02-16 01 58 51 とても素晴らしい作品でした めーりんに幸あれ -- 2017-11-27 00 44 27 めーりんスゲー -- 2017-02-25 16 10 51 彡⌒ミ || ( ՞ةڼ◔) || || ( | | | ||| 从| | | |从从  ̄) ⊂ノ ̄ ̄!_つ ̄て フヘ( ヽヘ(\ -- 2016-05-13 01 04 25 イイハナシダッタナー∴(⊃д⊂)∴ -- 2015-04-06 16 15 14 DIO「めーりんは、最後まで、自分の役目を、果たして死んでいった。偉大な饅頭だよあいつは…」ブロリー「めーりんを、殺すクズは、破壊尽くしてくれる!!」 -- 2014-11-16 18 33 53 めーりんかわゆす -- 2014-04-15 17 34 56 めぇぇぇぇぇりぃぃぃんんんんんん ∴(⊃д⊂)∴ -- 2014-02-21 02 06 19 めーりんサイコー -- 2013-09-23 21 35 53 めーりん、かっこいい!! 泣きそうになった -- 2013-06-23 01 19 21 グレートだぜめーりん;w; -- 2013-02-26 00 33 44 ショートケーキあげたい;w; -- 2013-02-22 15 54 31 このめーりんに大量のあまあまさんを供えたい・・・ -- 2013-01-16 22 30 07 マジ感動。 不覚にも泣きそうになった。 -- 2010-11-25 16 03 57 良いめーりん達だ。感動的だな… これが本当のゆっくりしていってね、か -- 2010-10-31 18 15 33 このめーりん達は、下手な人間よりも 尊い精神をしている…感動した -- 2010-06-17 10 43 31
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【対饅頭生物殲滅戦闘型ゆっくり・番兵めーりん】 「じゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」 一匹の傷ついためーりんが、勇ましき雄叫びをあげる。それに応じて、後ろに居並ぶ百匹のめーりんも、天に轟くときの声をあげた。 「「「じゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」」」 ――――― 村があり、大規模な畑がある。 畑は、一箇所の出入口を除き、周囲を濠で侵入を阻み、柵で囲ってある。 何者の侵入かといえば、むろんゆっくりである。この村の近くの山に棲息するゆっくりによる食害が絶えない。毎年の収穫期にゆっくりが畑を荒らし回るのだ。 困った人々は一計を案じた。それが、この巨大な畑である。各自があちこちに畑をつくって散発的に食われるなら、畑をひとまとめにしてみんなで守ろう、という発想であった。 これなら、出入口以外の周囲に塹壕を掘って障害物を建てるだけでいい。それでも重労働ではあったが。 しかし、これにも問題があった。 村人の数より、圧倒的にゆっくりのほうが数が多いのだ。相手はゆっくりだから、壮健な男子であれば数十は簡単に殺せるだろうし、数百は退治できる。 だが、数千数万数十万のゆっくりの群れが襲い掛かってきたらどうだろうか。 村はすでに爛熟の時を過ぎている。若者の数が少なくなっている。たとえゆっくりが相手でも、足腰の弱った老人では戦うことはできない。 ならば、戦力を補強するしかない。そうして開発されたのが、「対饅頭生物殲滅戦闘型ゆっくり・番兵めーりん」である。 村長自らがめーりん種の長と交渉し、契約と従属を締結したのだ。 めーりん種は独特の言語を用いるために、他のゆっくりたちと相入れないし、迫害される。それなら、人間側について共存するべきだ。畑を守って戦ってもらう代わりに、めーりんたちには栄養豊富な野菜を分配する。 なお、戦力を増強するために「めーりんの体を少し改造」することを付け加えた。 交渉はスムーズに行われた。人間側が条件を提示し、めーりん側は是か否を首肯で表す。頭……全身を縦に振れば是認、横に振れば否認だ。二つの老体は酒を酌み交わしながら、話し合う。 長めーりんは人間側の条件を全て受け入れた。長めーりんとしては、ゆっくり側にいても良い事など一つとしてないのだから、それも当たり前かもしれなかった。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱/コメントログ」 なんかすごい -- 2010-07-08 02 48 59 やばいもうダメだよお兄さんコレ胴付欲しいよホントに欲しい いや、欲しいって言い方は良くないな とにかく胴付ゆっくりと一緒に暮らしたい… 可愛いとかそんな単純な言葉で終わらせられないぞこの存在は -- 2010-08-02 23 54 14 ピザまんの刺激を求めるためだ。 お兄さんはおんばしらさんを少しは労わった方が良いと思うんだ! -- 2010-09-14 03 52 58 めーりんは性的な意味も含めて可愛がりたい… -- 2010-09-29 18 53 07 めーりん!めーりん!めーりん! -- 2010-10-26 00 48 50 めーりん!めーりん!めーりん! -- 2010-10-30 16 15 51 めーりんめーりん! -- 2010-12-06 20 34 13 ちくしょーーー! 羨ましいなこのお兄さんは!! -- 2010-12-19 02 45 32 めーりん!めーりん! -- 2011-07-14 12 14 15 普通に興奮したわwww -- 2011-10-08 23 14 56 めーりん中身辛いものだった気がs・・・ めーりん!めーりん! -- 2011-10-19 00 59 39 めーりんが挙げた駄目な所はぜんぶ長所 めーりん!めーりん! -- 2011-12-17 01 08 15 ほぼ本物かよ、おいおいおい! -- 2012-01-06 00 32 30 めーりん!めーりん!めーりん! -- 2012-08-16 20 36 34 おにいさん、すき だけだけど言葉を言えるようになったのか! おめでとうめーりん! -- 2013-05-03 18 16 38 なんか可愛いなwww -- 2014-02-25 00 31 23 この世界に胴付きゆっくりいたらなあ -- 2014-09-21 00 28 06 めーりん萌えたわー -- 2014-11-07 22 29 19 めーりん天使 -- 2014-12-21 12 50 22 ゆっくり美鈴飼いたいよー! うちにおいでー! -- 2016-04-09 10 57 38 うぉぉぉぉぉぉ -- 2016-08-20 13 35 19 原作とほぼ同じ見た目だったら、そりゃ美人だわな~ あと、「SUN値」ではなく「SAN値」じゃないか? SAN値は正気度で、下がると狂気になりやすい。 SAN値が振り切れて正気なのに、HENTAI行動ってどゆこと!? -- 2018-03-25 04 53 17 めええりいいん -- 2021-05-07 18 54 52 めーりん!めーりん! -- 2021-09-16 18 26 12
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※ちょっとだけオリ設定、しかし核心 【めーりんが気功を覚えました】 「はぁーやっこらせーのーどっこいさっと」 俺は紅魔館につづく湖のほとりの道を、荷台を押しながら歩いている。 荷台には、よく育った野菜達と、我が家特製の紫もやし(本当のもやし)。 うちの野菜が紅魔館の方々に気に入られて以来、こうして届けに出るのである。 やや遠出だが、儲けも悪くない。 道中野菜のにおいに釣られ、ゆっくりが何度か襲撃してきたが、運搬に影響はない。 湖近くまでくればれみりゃを恐れ、ゆっくりの数は激減するしれみりゃは野菜を食べない。 ここにある野菜より、畑が心配でならない。 対策はしているのだがいつ破られるかわからない。手短にすませるとしよう。 紅魔館正門前。 降り注ぐ日差しの中、紅さんはいつも通り昼寝をしていた。 いつもの風景に笑顔でいると、ふと異変に気づいた。 彼女のまわりに、ゆっくりが三匹。 しかも全部めーりんで、仲良く昼寝をしている。和やかムード2,5倍。 足音に気づいたのか、一匹のめーりんが目を覚ます。俺の姿を確認するなり、一鳴き。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 うぉう、ゆっくりとは思えない威圧感。 その声に他の二匹も目を覚まし、威嚇するように吠える。 「じゃお、じゃおおぉぉ!!!」 「じゃおおぉぉ!!!」 妙な威圧感にたじろいでいると、紅さんが目を覚ました。 寝起きの細い目で俺を確認すると、ゆっくり達に声をかけた。 とたん、ゆっくり達の威嚇は止み、大人しくなった。 「やぁ俺さん、いつもどうも」 「いえいえ、昼寝の邪魔しちゃってすいません紅さん」 「いやいや、起こしてくれて何より。 あと美鈴でいいよ。いろいろ世話になってるし」 「はぁ…じゃあ、美鈴さん、ひとついいですか?」 「ん?なんだい?」 足元では、興味津々で俺を見上げる三匹。 しかもむちゃくちゃ大人しい。 「こいつらはなんです?」 「なにって、ゆっくりだよ」 「いやまぁ、でもなんでここに?」 「いやねぇ、街に出た帰りにいじめられてるのを見つけてね。拾っちまったのさ。 しかもこいつら、私みたいに門番しようとするんだ。かわいいだろ?」 「まぁ、かわいいといえばかわいい…ですね」 「だろ~」 「あともうひとつ、こいつらやけに威厳ありません?見た目に反して」 「いうねぇ。いいけどさ。 実はこいつらに、気功を教えたんだ」 「気功?ゆっくりにそんなことできるんですか?」 「苦労したさ。しつけから始めてかなりね。 時間はたっぷりあったし、焦らずゆっくり教えてやった。 私に似て素質があるんだろうねぇ、こいつら」 「はぁ…ゆっくりが気功…か…」 ちょっと気になり、しゃがみこんで目を合わせる。…よくわからない。 頭を撫でてみる。お、かなりあったかい。 「やっぱりまだ難しいらしくてねー、うまく使いこなせないみたいなんだ」 「そうですか…」 撫でられためーりんは気持ちよさそうに目を細めている。ふと、思いついた。 「美鈴さん、この子一匹いただけません?畑番をさせたいんですけど」 「私は一向に構わないけど…。俺さんの畑を荒らされちゃうちにも被害は出るし。 おい、お前」 撫でられていためーりんが美鈴さんを向く。無垢な目だ。 「じゃお?」 「このお兄さんが、お前に畑を守ってほしいらしい。出来るか?」 「じゃお!」 「よし決まりだ。いじめたり加工所に連れていったりするなよ?」 「しませんよ、大事な畑番ですもの」 「そうかい、なら安心だ」 交渉が済んだところで、野菜の精算を行う。 これだけあれば生活に困りはしないだろう。 足元では、三匹が体を寄せ合っていた。 何を言ってるのかは分からないが、別れのあいさつか何かだろう。 たまには、連れてきてやろう。 空になった荷台に頂いためーりんを載せ、来た道を戻る。 帰りは野菜がないので、ゆっくり達も無害だ。 道行くまりさ親子を潰さないように、道を逸れてやる。 「今日からよろしくな、めーりん」 「じゃお!」 めーりんの目は、輝いていた。 あとなんか波動的なものが漏れていたがまぁ大丈夫だろう。 長い道を歩き終え、村に帰ってくる。 家につく頃には、めーりんは気持ちよさそうに眠っていた。 畑は…とりあえず無事である。まぁ収穫したばかりで作物もないし、当然なのだが。 とりあえず寝床を準備していなかったので、布団の上に乗せてやって、その日は床に就いた。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 普段起きるより少し早い時間、めーりんの鳴き声で目を覚ます。しかし声でかいな。 「おはよう、めーりん」 「じゃおっ!」 飯はどれぐらい食わせてやればいいんだろうか。 とりあえず、茶碗1杯の米を出してやった。結構きれいに食べるな。 俺が数回箸をつける間に、もう食べ終わってしまった。 「もっと食うか?そんなに多くはやれないけど」 「じゃお?じゃおっ、じゃおーっ」 「うーむ、わからん」 とりあえずにんじんを1本与えてみた。 おぉ、生でも食うのかこいつ。ってか野生で生きるためには普通そうだよな。 朝食も身支度も終わり、畑仕事の時間。さて、こいつの働きぶりはいかほどなものか。 「ついたぞ」「じゃー」 家の裏にある畑、紅魔館用ではないがそこそこに優良な野菜が育つ、いい畑である。 それゆえゆっくりの襲撃も少なくなく、一応柵を立ててある。 襲撃と日当たりを考えなければならず、これがめーりんに任せられるなら安心なんだが。 「それじゃあ、今日1日ここを守ってほしい。俺は中で仕事してるから」 「じゃおっ!」 柵の外にめーりんを置いて、俺は柵を越えて畑に入る。 さて、一匹にして大丈夫だろうか。ちらほらと目配せしながら作業を始める。 日差しが頭のてっぺんに昇る頃、そいつらは現れた。 「ゆっ!はたけがあるよ!」「おやさいがたべられるね!」 パッと見5匹、れいむとまりさ混合の群れだ。 さてお手並み拝見。…寝てやがる。おーい起きろー。 「ゆー!クズめーりんがいる!」「クズめーりんだ!」 クズ呼ばわりとはまたひどい。こいつそんなに立ち位置悪いのか? …お、起きた。ただうるさくて起きたのだろう。目が線だ。 「やいめーりん!まりさたちはそこのはたけにようがあるんだよ! わかったらさっさとどいてね!」 「どかないといじめるよ!」 めーりんは、まりさ達を見つけ次第ひと吼え。 「じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆ”っ!」 おぉ、ひるんでるひるんでる。鳴き声だけでこれか。 「なんかあのクズめーりんへんだよ!」「ちょっぴりこわいよ!」 「だいじょうぶだよ!クズめーりんはクズめーりんだよ!」 「どかないならゆっくりたおすよ!!!」 一番大きなまりさが、めーりんめがけて突っ込んでいく。 「ゆっくりつぶれてね!」 「じゃおっ!」 自分めがけての体当たりとわかるや、めーりんは…身構えた(ように見える) そのまま加速をつけて仕掛けるまりさ。 ドッ! 「ゆ”っ」 ゆっくり同士の衝突とは思えない鈍い音を立てて、まりさが吹っ飛ぶ。 めーりんは構えた姿勢から微動だにしていない。 その光景に、グループのゆっくり達も目を疑う。 吹っ飛んだまりさは、もう1匹のまりさの上に落ちた。 「ゆ”っ」 「うゆ”ぅ~」 「まりさ!しっかりしていってね!!!」 「まりさ!」 外傷はない、ただ目を回したかなにかで、ダウン状態だ。 あれか、気であんこだけに衝撃を伝えたのか。…よくわからないが。 とにかく、これが美鈴さん直伝の気か。すげーこいつ。 「じゃおっ!」宣言するように吼える。 「ゆっ!ひとりがだめならみんなでいじめるよ!」 「ゆーっ!」 「じゃおおおおぉぉぉぉ…」 めーりんがうなりだす。そして漏れ出す波動的ななにか。 昨日の帰り道で見たアレに似ている。 「ゆ”ゆ”ゆ”っ!すっごくこわいよ!」 「まりさぁぁ!にげようよぉぉ!」 「クズめーりんなんかこわくないよ!ゆっくりしね!!!」 もう1匹のまりさが再び突っ込む。学習能力がないってのはこういうことなのか。 「…じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 めーりんが、天に向かって吼える。 今まで聞いた中で、もっとも大きく力強い。 周囲の砂が舞い上がる、柵が細かく震えている。 その咆哮は空気を、大地を震わせ、まりさを吹き飛ばした。 「ゆーっ!!!」 こわくなった残りのれいむ達は、ダウンしたまりさを背負って(?)逃げ出した。 めーりんは…追いかけはしないようだ。関心関心、それでこそ守護者。 吹き飛ばされたまりさもやがて目を覚まし、めーりんを一目見ると一目散に走り出した。 これがトラウマでこなくなればいいんだけどなぁ… 「じゃおぉ~」 ちょっとお疲れのご様子。まだ波動的な何かがうっすら漏れている。 「お疲れさん。すごいんだなお前」 「じゃお!」 それでも目は、昨日と同じように輝いていた。 畑の一角に腰かけ、昼飯にする。 俺のおかずの干し肉を、ほうびにめーりんに食わせてやった。 いい顔しやがる。これからも頼むぜ、門番さん。 【あとがき】 うっす、タカアキです。 「じゃお」しか言わないめーりんですが、書いてて意外に楽しかったです。 妙に前半が長いけど気にしない。 このSSに感想を付ける
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※ちょっとだけオリ設定、しかし核心 【めーりんが気功を覚えました】 「はぁーやっこらせーのーどっこいさっと」 俺は紅魔館につづく湖のほとりの道を、荷台を押しながら歩いている。 荷台には、よく育った野菜達と、我が家特製の紫もやし(本当のもやし)。 うちの野菜が紅魔館の方々に気に入られて以来、こうして届けに出るのである。 やや遠出だが、儲けも悪くない。 道中野菜のにおいに釣られ、ゆっくりが何度か襲撃してきたが、運搬に影響はない。 湖近くまでくればれみりゃを恐れ、ゆっくりの数は激減するしれみりゃは野菜を食べない。 ここにある野菜より、畑が心配でならない。 対策はしているのだがいつ破られるかわからない。手短にすませるとしよう。 紅魔館正門前。 降り注ぐ日差しの中、紅さんはいつも通り昼寝をしていた。 いつもの風景に笑顔でいると、ふと異変に気づいた。 彼女のまわりに、ゆっくりが三匹。 しかも全部めーりんで、仲良く昼寝をしている。和やかムード2,5倍。 足音に気づいたのか、一匹のめーりんが目を覚ます。俺の姿を確認するなり、一鳴き。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 うぉう、ゆっくりとは思えない威圧感。 その声に他の二匹も目を覚まし、威嚇するように吠える。 「じゃお、じゃおおぉぉ!!!」 「じゃおおぉぉ!!!」 妙な威圧感にたじろいでいると、紅さんが目を覚ました。 寝起きの細い目で俺を確認すると、ゆっくり達に声をかけた。 とたん、ゆっくり達の威嚇は止み、大人しくなった。 「やぁ俺さん、いつもどうも」 「いえいえ、昼寝の邪魔しちゃってすいません紅さん」 「いやいや、起こしてくれて何より。 あと美鈴でいいよ。いろいろ世話になってるし」 「はぁ…じゃあ、美鈴さん、ひとついいですか?」 「ん?なんだい?」 足元では、興味津々で俺を見上げる三匹。 しかもむちゃくちゃ大人しい。 「こいつらはなんです?」 「なにって、ゆっくりだよ」 「いやまぁ、でもなんでここに?」 「いやねぇ、街に出た帰りにいじめられてるのを見つけてね。拾っちまったのさ。 しかもこいつら、私みたいに門番しようとするんだ。かわいいだろ?」 「まぁ、かわいいといえばかわいい…ですね」 「だろ~」 「あともうひとつ、こいつらやけに威厳ありません?見た目に反して」 「いうねぇ。いいけどさ。 実はこいつらに、気功を教えたんだ」 「気功?ゆっくりにそんなことできるんですか?」 「苦労したさ。しつけから始めてかなりね。 時間はたっぷりあったし、焦らずゆっくり教えてやった。 私に似て素質があるんだろうねぇ、こいつら」 「はぁ…ゆっくりが気功…か…」 ちょっと気になり、しゃがみこんで目を合わせる。…よくわからない。 頭を撫でてみる。お、かなりあったかい。 「やっぱりまだ難しいらしくてねー、うまく使いこなせないみたいなんだ」 「そうですか…」 撫でられためーりんは気持ちよさそうに目を細めている。ふと、思いついた。 「美鈴さん、この子一匹いただけません?畑番をさせたいんですけど」 「私は一向に構わないけど…。俺さんの畑を荒らされちゃうちにも被害は出るし。 おい、お前」 撫でられていためーりんが美鈴さんを向く。無垢な目だ。 「じゃお?」 「このお兄さんが、お前に畑を守ってほしいらしい。出来るか?」 「じゃお!」 「よし決まりだ。いじめたり加工所に連れていったりするなよ?」 「しませんよ、大事な畑番ですもの」 「そうかい、なら安心だ」 交渉が済んだところで、野菜の精算を行う。 これだけあれば生活に困りはしないだろう。 足元では、三匹が体を寄せ合っていた。 何を言ってるのかは分からないが、別れのあいさつか何かだろう。 たまには、連れてきてやろう。 空になった荷台に頂いためーりんを載せ、来た道を戻る。 帰りは野菜がないので、ゆっくり達も無害だ。 道行くまりさ親子を潰さないように、道を逸れてやる。 「今日からよろしくな、めーりん」 「じゃお!」 めーりんの目は、輝いていた。 あとなんか波動的なものが漏れていたがまぁ大丈夫だろう。 長い道を歩き終え、村に帰ってくる。 家につく頃には、めーりんは気持ちよさそうに眠っていた。 畑は…とりあえず無事である。まぁ収穫したばかりで作物もないし、当然なのだが。 とりあえず寝床を準備していなかったので、布団の上に乗せてやって、その日は床に就いた。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 普段起きるより少し早い時間、めーりんの鳴き声で目を覚ます。しかし声でかいな。 「おはよう、めーりん」 「じゃおっ!」 飯はどれぐらい食わせてやればいいんだろうか。 とりあえず、茶碗1杯の米を出してやった。結構きれいに食べるな。 俺が数回箸をつける間に、もう食べ終わってしまった。 「もっと食うか?そんなに多くはやれないけど」 「じゃお?じゃおっ、じゃおーっ」 「うーむ、わからん」 とりあえずにんじんを1本与えてみた。 おぉ、生でも食うのかこいつ。ってか野生で生きるためには普通そうだよな。 朝食も身支度も終わり、畑仕事の時間。さて、こいつの働きぶりはいかほどなものか。 「ついたぞ」「じゃー」 家の裏にある畑、紅魔館用ではないがそこそこに優良な野菜が育つ、いい畑である。 それゆえゆっくりの襲撃も少なくなく、一応柵を立ててある。 襲撃と日当たりを考えなければならず、これがめーりんに任せられるなら安心なんだが。 「それじゃあ、今日1日ここを守ってほしい。俺は中で仕事してるから」 「じゃおっ!」 柵の外にめーりんを置いて、俺は柵を越えて畑に入る。 さて、一匹にして大丈夫だろうか。ちらほらと目配せしながら作業を始める。 日差しが頭のてっぺんに昇る頃、そいつらは現れた。 「ゆっ!はたけがあるよ!」「おやさいがたべられるね!」 パッと見5匹、れいむとまりさ混合の群れだ。 さてお手並み拝見。…寝てやがる。おーい起きろー。 「ゆー!クズめーりんがいる!」「クズめーりんだ!」 クズ呼ばわりとはまたひどい。こいつそんなに立ち位置悪いのか? …お、起きた。ただうるさくて起きたのだろう。目が線だ。 「やいめーりん!まりさたちはそこのはたけにようがあるんだよ! わかったらさっさとどいてね!」 「どかないといじめるよ!」 めーりんは、まりさ達を見つけ次第ひと吼え。 「じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆ”っ!」 おぉ、ひるんでるひるんでる。鳴き声だけでこれか。 「なんかあのクズめーりんへんだよ!」「ちょっぴりこわいよ!」 「だいじょうぶだよ!クズめーりんはクズめーりんだよ!」 「どかないならゆっくりたおすよ!!!」 一番大きなまりさが、めーりんめがけて突っ込んでいく。 「ゆっくりつぶれてね!」 「じゃおっ!」 自分めがけての体当たりとわかるや、めーりんは…身構えた(ように見える) そのまま加速をつけて仕掛けるまりさ。 ドッ! 「ゆ”っ」 ゆっくり同士の衝突とは思えない鈍い音を立てて、まりさが吹っ飛ぶ。 めーりんは構えた姿勢から微動だにしていない。 その光景に、グループのゆっくり達も目を疑う。 吹っ飛んだまりさは、もう1匹のまりさの上に落ちた。 「ゆ”っ」 「うゆ”ぅ~」 「まりさ!しっかりしていってね!!!」 「まりさ!」 外傷はない、ただ目を回したかなにかで、ダウン状態だ。 あれか、気であんこだけに衝撃を伝えたのか。…よくわからないが。 とにかく、これが美鈴さん直伝の気か。すげーこいつ。 「じゃおっ!」宣言するように吼える。 「ゆっ!ひとりがだめならみんなでいじめるよ!」 「ゆーっ!」 「じゃおおおおぉぉぉぉ…」 めーりんがうなりだす。そして漏れ出す波動的ななにか。 昨日の帰り道で見たアレに似ている。 「ゆ”ゆ”ゆ”っ!すっごくこわいよ!」 「まりさぁぁ!にげようよぉぉ!」 「クズめーりんなんかこわくないよ!ゆっくりしね!!!」 もう1匹のまりさが再び突っ込む。学習能力がないってのはこういうことなのか。 「…じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 めーりんが、天に向かって吼える。 今まで聞いた中で、もっとも大きく力強い。 周囲の砂が舞い上がる、柵が細かく震えている。 その咆哮は空気を、大地を震わせ、まりさを吹き飛ばした。 「ゆーっ!!!」 こわくなった残りのれいむ達は、ダウンしたまりさを背負って(?)逃げ出した。 めーりんは…追いかけはしないようだ。関心関心、それでこそ守護者。 吹き飛ばされたまりさもやがて目を覚まし、めーりんを一目見ると一目散に走り出した。 これがトラウマでこなくなればいいんだけどなぁ… 「じゃおぉ~」 ちょっとお疲れのご様子。まだ波動的な何かがうっすら漏れている。 「お疲れさん。すごいんだなお前」 「じゃお!」 それでも目は、昨日と同じように輝いていた。 畑の一角に腰かけ、昼飯にする。 俺のおかずの干し肉を、ほうびにめーりんに食わせてやった。 いい顔しやがる。これからも頼むぜ、門番さん。 【あとがき】 うっす、タカアキです。 「じゃお」しか言わないめーりんですが、書いてて意外に楽しかったです。 妙に前半が長いけど気にしない。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/507.html
※ちょっとだけオリ設定、しかし核心 【めーりんが気功を覚えました】 「はぁーやっこらせーのーどっこいさっと」 俺は紅魔館につづく湖のほとりの道を、荷台を押しながら歩いている。 荷台には、よく育った野菜達と、我が家特製の紫もやし(本当のもやし)。 うちの野菜が紅魔館の方々に気に入られて以来、こうして届けに出るのである。 やや遠出だが、儲けも悪くない。 道中野菜のにおいに釣られ、ゆっくりが何度か襲撃してきたが、運搬に影響はない。 湖近くまでくればれみりゃを恐れ、ゆっくりの数は激減するしれみりゃは野菜を食べない。 ここにある野菜より、畑が心配でならない。 対策はしているのだがいつ破られるかわからない。手短にすませるとしよう。 紅魔館正門前。 降り注ぐ日差しの中、紅さんはいつも通り昼寝をしていた。 いつもの風景に笑顔でいると、ふと異変に気づいた。 彼女のまわりに、ゆっくりが三匹。 しかも全部めーりんで、仲良く昼寝をしている。和やかムード2,5倍。 足音に気づいたのか、一匹のめーりんが目を覚ます。俺の姿を確認するなり、一鳴き。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 うぉう、ゆっくりとは思えない威圧感。 その声に他の二匹も目を覚まし、威嚇するように吠える。 「じゃお、じゃおおぉぉ!!!」 「じゃおおぉぉ!!!」 妙な威圧感にたじろいでいると、紅さんが目を覚ました。 寝起きの細い目で俺を確認すると、ゆっくり達に声をかけた。 とたん、ゆっくり達の威嚇は止み、大人しくなった。 「やぁ俺さん、いつもどうも」 「いえいえ、昼寝の邪魔しちゃってすいません紅さん」 「いやいや、起こしてくれて何より。 あと美鈴でいいよ。いろいろ世話になってるし」 「はぁ…じゃあ、美鈴さん、ひとついいですか?」 「ん?なんだい?」 足元では、興味津々で俺を見上げる三匹。 しかもむちゃくちゃ大人しい。 「こいつらはなんです?」 「なにって、ゆっくりだよ」 「いやまぁ、でもなんでここに?」 「いやねぇ、街に出た帰りにいじめられてるのを見つけてね。拾っちまったのさ。 しかもこいつら、私みたいに門番しようとするんだ。かわいいだろ?」 「まぁ、かわいいといえばかわいい…ですね」 「だろ~」 「あともうひとつ、こいつらやけに威厳ありません?見た目に反して」 「いうねぇ。いいけどさ。 実はこいつらに、気功を教えたんだ」 「気功?ゆっくりにそんなことできるんですか?」 「苦労したさ。しつけから始めてかなりね。 時間はたっぷりあったし、焦らずゆっくり教えてやった。 私に似て素質があるんだろうねぇ、こいつら」 「はぁ…ゆっくりが気功…か…」 ちょっと気になり、しゃがみこんで目を合わせる。…よくわからない。 頭を撫でてみる。お、かなりあったかい。 「やっぱりまだ難しいらしくてねー、うまく使いこなせないみたいなんだ」 「そうですか…」 撫でられためーりんは気持ちよさそうに目を細めている。ふと、思いついた。 「美鈴さん、この子一匹いただけません?畑番をさせたいんですけど」 「私は一向に構わないけど…。俺さんの畑を荒らされちゃうちにも被害は出るし。 おい、お前」 撫でられていためーりんが美鈴さんを向く。無垢な目だ。 「じゃお?」 「このお兄さんが、お前に畑を守ってほしいらしい。出来るか?」 「じゃお!」 「よし決まりだ。いじめたり加工所に連れていったりするなよ?」 「しませんよ、大事な畑番ですもの」 「そうかい、なら安心だ」 交渉が済んだところで、野菜の精算を行う。 これだけあれば生活に困りはしないだろう。 足元では、三匹が体を寄せ合っていた。 何を言ってるのかは分からないが、別れのあいさつか何かだろう。 たまには、連れてきてやろう。 空になった荷台に頂いためーりんを載せ、来た道を戻る。 帰りは野菜がないので、ゆっくり達も無害だ。 道行くまりさ親子を潰さないように、道を逸れてやる。 「今日からよろしくな、めーりん」 「じゃお!」 めーりんの目は、輝いていた。 あとなんか波動的なものが漏れていたがまぁ大丈夫だろう。 長い道を歩き終え、村に帰ってくる。 家につく頃には、めーりんは気持ちよさそうに眠っていた。 畑は…とりあえず無事である。まぁ収穫したばかりで作物もないし、当然なのだが。 とりあえず寝床を準備していなかったので、布団の上に乗せてやって、その日は床に就いた。 「じゃおおおおぉぉぉぉ!!!じゃおおおおぉぉぉぉ!!!」 普段起きるより少し早い時間、めーりんの鳴き声で目を覚ます。しかし声でかいな。 「おはよう、めーりん」 「じゃおっ!」 飯はどれぐらい食わせてやればいいんだろうか。 とりあえず、茶碗1杯の米を出してやった。結構きれいに食べるな。 俺が数回箸をつける間に、もう食べ終わってしまった。 「もっと食うか?そんなに多くはやれないけど」 「じゃお?じゃおっ、じゃおーっ」 「うーむ、わからん」 とりあえずにんじんを1本与えてみた。 おぉ、生でも食うのかこいつ。ってか野生で生きるためには普通そうだよな。 朝食も身支度も終わり、畑仕事の時間。さて、こいつの働きぶりはいかほどなものか。 「ついたぞ」「じゃー」 家の裏にある畑、紅魔館用ではないがそこそこに優良な野菜が育つ、いい畑である。 それゆえゆっくりの襲撃も少なくなく、一応柵を立ててある。 襲撃と日当たりを考えなければならず、これがめーりんに任せられるなら安心なんだが。 「それじゃあ、今日1日ここを守ってほしい。俺は中で仕事してるから」 「じゃおっ!」 柵の外にめーりんを置いて、俺は柵を越えて畑に入る。 さて、一匹にして大丈夫だろうか。ちらほらと目配せしながら作業を始める。 日差しが頭のてっぺんに昇る頃、そいつらは現れた。 「ゆっ!はたけがあるよ!」「おやさいがたべられるね!」 パッと見5匹、れいむとまりさ混合の群れだ。 さてお手並み拝見。…寝てやがる。おーい起きろー。 「ゆー!クズめーりんがいる!」「クズめーりんだ!」 クズ呼ばわりとはまたひどい。こいつそんなに立ち位置悪いのか? …お、起きた。ただうるさくて起きたのだろう。目が線だ。 「やいめーりん!まりさたちはそこのはたけにようがあるんだよ! わかったらさっさとどいてね!」 「どかないといじめるよ!」 めーりんは、まりさ達を見つけ次第ひと吼え。 「じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆ”っ!」 おぉ、ひるんでるひるんでる。鳴き声だけでこれか。 「なんかあのクズめーりんへんだよ!」「ちょっぴりこわいよ!」 「だいじょうぶだよ!クズめーりんはクズめーりんだよ!」 「どかないならゆっくりたおすよ!!!」 一番大きなまりさが、めーりんめがけて突っ込んでいく。 「ゆっくりつぶれてね!」 「じゃおっ!」 自分めがけての体当たりとわかるや、めーりんは…身構えた(ように見える) そのまま加速をつけて仕掛けるまりさ。 ドッ! 「ゆ”っ」 ゆっくり同士の衝突とは思えない鈍い音を立てて、まりさが吹っ飛ぶ。 めーりんは構えた姿勢から微動だにしていない。 その光景に、グループのゆっくり達も目を疑う。 吹っ飛んだまりさは、もう1匹のまりさの上に落ちた。 「ゆ”っ」 「うゆ”ぅ~」 「まりさ!しっかりしていってね!!!」 「まりさ!」 外傷はない、ただ目を回したかなにかで、ダウン状態だ。 あれか、気であんこだけに衝撃を伝えたのか。…よくわからないが。 とにかく、これが美鈴さん直伝の気か。すげーこいつ。 「じゃおっ!」宣言するように吼える。 「ゆっ!ひとりがだめならみんなでいじめるよ!」 「ゆーっ!」 「じゃおおおおぉぉぉぉ…」 めーりんがうなりだす。そして漏れ出す波動的ななにか。 昨日の帰り道で見たアレに似ている。 「ゆ”ゆ”ゆ”っ!すっごくこわいよ!」 「まりさぁぁ!にげようよぉぉ!」 「クズめーりんなんかこわくないよ!ゆっくりしね!!!」 もう1匹のまりさが再び突っ込む。学習能力がないってのはこういうことなのか。 「…じゃおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 めーりんが、天に向かって吼える。 今まで聞いた中で、もっとも大きく力強い。 周囲の砂が舞い上がる、柵が細かく震えている。 その咆哮は空気を、大地を震わせ、まりさを吹き飛ばした。 「ゆーっ!!!」 こわくなった残りのれいむ達は、ダウンしたまりさを背負って(?)逃げ出した。 めーりんは…追いかけはしないようだ。関心関心、それでこそ守護者。 吹き飛ばされたまりさもやがて目を覚まし、めーりんを一目見ると一目散に走り出した。 これがトラウマでこなくなればいいんだけどなぁ… 「じゃおぉ~」 ちょっとお疲れのご様子。まだ波動的な何かがうっすら漏れている。 「お疲れさん。すごいんだなお前」 「じゃお!」 それでも目は、昨日と同じように輝いていた。 畑の一角に腰かけ、昼飯にする。 俺のおかずの干し肉を、ほうびにめーりんに食わせてやった。 いい顔しやがる。これからも頼むぜ、門番さん。 【あとがき】 うっす、タカアキです。 「じゃお」しか言わないめーりんですが、書いてて意外に楽しかったです。 妙に前半が長いけど気にしない。 このSSに感想を付ける